「イン・ビトウィーン」:都市との一体感を創出する家

セイェドジャリル・モウサヴィによる伝統と革新の融合

伝統的なポーチの再解釈と現代建築の融合が生み出す、新たな住空間の可能性について探ります。

イラン西部ハマダン市に位置する「イン・ビトウィーン」は、セイェドジャリル・モウサヴィによる住宅プロジェクトです。この家は、内部と外部の境界を曖昧にし、家と都市の繋がりを重視した設計が特徴です。伝統的なポーチを現代的な解釈で取り入れ、居住空間の延長として、また都市との接点として機能させています。

建築の「細胞」としての家と都市との関係性を探求するこのプロジェクトでは、各階を結ぶ煉瓦製の「封筒」が特徴的です。これらのポーチは、居住エリアの拡張としてだけでなく、地平線と空への眺望を提供し、屋内外の生活をシームレスに繋ぎます。

建築には伝統的な煉瓦と白い大理石、漆喰が用いられており、古典的な素材を現代的な手法で表現しています。14メートル×10メートルの敷地に、高さ11.4メートルの建物が立ち、機能的にも家族のニーズに応える設計となっています。

この住宅は、クライアントの要望である家の内部と外空間の繋がりや、煉瓦などの伝統的な素材の使用を実現しています。両側に配置された煉瓦のポーチは、この要望を具体化し、家族と都市との結びつきを強化しています。

プロジェクトの研究段階では、クライアントの願望と敷地の特性をバランス良く取り入れるため、建築家と家族との広範な議論が行われました。また、地域の歴史や都市環境に関するリサーチを通じて、伝統的なポーチを活気ある緩衝地帯として再解釈するデザインが生まれました。

予算の制約、家族の要望への応答、市の専門家による計画の承認など、このプロジェクトにはいくつかの課題がありましたが、それらを克服し、家と都市の関係を強化するデザインを実現しました。

2024年にA'アーキテクチャー、ビルディングアンドストラクチャーデザインアワードでブロンズを受賞した「イン・ビトウィーン」は、芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、より良い世界を作ることを証明しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: MA Office
画像クレジット: All Images Photographer :Mohammad Hassan Ettefagh, Video Credits: Hamed Zangene
プロジェクトチームのメンバー: Lead Architects: Seyed Jalil Mousavi- Team members: Akam Katoorani,Sepehr Edalati,Atefeh Safakish
プロジェクト名: In Between
プロジェクトのクライアント: MA Office


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